2016年2月8日のNHK Eテレ「オイコノミア」は、「知らなきゃ損する"価格"の話!」でした。
出演は又吉直樹さんのほか大久保佳代子さん、そして東京大学大学院教授の川口大司さん。
不動産の価格。
「情報の非対称性」 …… よく出てくる言葉。
取引の当事者が持っている情報に差があること。売り手は相場をよく知っているが、買い手は正しい値段を知らない、など。
そんな非対称性を解消するため(かどうか?)、国土交通省が2006年から「土地総合情報システム」をネットに公開している。
実際に売買が成立した価格データが280万件登録されているとのこと。
取引価格と広告価格のズレに関する心配が、ちょっとは小さくなるかも。
モノの価格。
消費者物価指数(CPI):
全国の家計に関わる商品やサービスの価格を総合し、費用の変化を表したもの。
何%変化しているかがインフレ率。
モノやサービス585品目のバスケットについて価格が調査されている。
1946年の開始以来、バスケットの中身は実情に合わせて修正されている(例:「お子様ランチ」は2017年から除外になった)
欠点:
- 計算に時間がかかる(2ヵ月)
- 価格の変化に応じて消費量が変わることが考慮されていない
新しい指数も考案されている。
「東大指数」:2013年から算出。2015年にベンチャー企業を設立。
全国のスーパー1000店のPOSデータから30万点の価格を調べ、日次で指数を算出し、日銀・メガバンク・証券会社に提供している。
長所:
- 日次(リアルタイム)のデータが得られる。
- シェアの変化も捉えることができる。
物価指数は「経済の体温計」とも呼ばれている。
バブル崩壊時、従来の指数は1995年まで落ちなかったが、その時代に「東大指数」があれば、1993年ですでに失速をとらえ政策に反映できた可能性がある。
それ以外にも、
などが行われているとか。
労働の価格(賃金)。
政府が平均賃金の統計データを発表している。
時給換算で1990年代からやや減少傾向。
その一方、2015年には85%の企業が賃金を上げたと回答。
この差はどこからくるのか?
低賃金のパート人口が増えたからではないか。
平均賃金はあくまで「平均」であって、全体がどのように分布しているかわからない。平均値、中央値、最頻値などの代表値や、分布全体がどのようになっているかを考える必要がある。
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こんな内容でした。
不動産取引価格は、物件ごとに条件が本当に違うので難しいですが、上記のサイトは知りませんでした。参考になりそうです。
経済指標にもビッグデータが使われているんだなと改めて思いました。
再放送は2016年2月10日(2月9日深夜)午前0:30から。
次回は「特技を生かそう!兄弟姉妹の経済学」です。