フリーランス兼業主夫日記

フリーランス、プラスなりゆきで兼業主夫的生活になって25年超え。生活や子育ての中でブログネタを探しています。記事の内容はその時点の思いつき。現在は考え方が違っているかもしれません。

「資産三分法」。むかし土地を買っていたらどうなっていただろう…?

 

今でも言うんでしょうか? 「資産三分法」。

 

私がその話を聞いたのは、今から30年ほど前の会社員時代。確かタバコ休憩中の雑談だったような気がします(当時はそんな習慣があったんですよ……。今の会社ではそんな風景はありえないでしょうね)。

 

「資産三分法」、いまネットで調べてみると微妙に定義が一致していないようですが、

「資産を現金・株・不動産」の3つに分けて持つ。

という考え方と言っていいでしょう。

 

当時新入社員だった私は、そもそも3つに分けるほどの資産も何もありませんでしたし、ふーんと聞き流していました。

 

株もそうですが、まして不動産なんて。

全く実感がわきませんでしたからね。

 

30年前に不動産を買っていたら。

 

でも、地方の同じ事業所に配属された同期の中には、父親からの勧めで勤務先の近くに家を建てるための土地を買った人もいました。

 

もちろん自分が住む家のためですから不動産投資とは違いますが、もし当時土地を買っていたらどうなっていたんだろう?

 

ちょっと調べてみました。

 

値上がりし、値下がりし。

 

30年前といえばバブル以前。土地が本格的に値上がりする前でした。

ぼんやりした記憶にある当時のそのあたりの坪単価は、10万円。

同じ地域でいま売りに出ている土地をYahoo不動産で調べてみると、坪単価は5~8万円。(田舎なんです)

 

……おそらく、バブルの頃にはもっと値上がりし、その後値下がりして、元よりも下がった価格になったのでしょう。

 

私はもうそこには住んでいませんが、当時と比べて現在は周辺道路が整備され、町全体としては発展している様子。しかしそれでも、土地の値段は下がっている。

 

土地としての価値が元通りなら、「住宅ローンの金利(当時は年5~6%だったと思われます)分を借家の家賃として支払ったのと同じ」という言い方もできるかもしれません。

 

試算してみたら。

 

坪10万の土地が70坪で700万円だったとします(田舎なので区画が広い)。

建物は1500万円としましょうか。

計2200万円を頭金200万、残り2000万を年利5%固定の25年ローンで返済するとします。

そうすると、総返済額は3500万円になります。

頭金を加えると総額3700万円。

 

つまり、30年後の現在は、ローンを完済して総額3700万円の支払いが済み、700万円以下の土地が資産として残っていることになります。建物はもちろんまだまだ住めますが、価値としてはゼロ。

差引3000万円のマイナスという試算結果になりました。

 

ではもっと長いスパンなら?

 

実は私、数年前に父が亡くなり、維持が難しくなった実家を処分しました。

母は賃貸アパート生活に。その方が生活はコンパクトになって楽です。

 

それでは、そんな父が働き盛りだった50年近く前に実家(土地付き一戸建て)を買った収支は、結局どうだったのでしょうか?

 

父は、高度成長期が終わった頃の昭和46年(1971年)に土地を購入し、建物の工事を契約しました。

土地が390万円、建物が510万円。計900万円でした。さすがに昔なので、安い。

 

そして一昨年、平成27年(2015年)に売却。

売却価格は1900万円。これは土地だけの価格です。

建築から40年以上経過した建物には、価値はありません。

 

住宅ローンの返済期間がどの程度だったかわかりませんが、買った当時の住宅ローンの金利は少なくとも8%はあったはず。

仮に頭金がなかったとして、900万円全部を金利8%の住宅ローンで25年返済したとすると、総返済額は約2000万円になります。

 

そう考えると、おおざっぱな計算ですが、ローンで総額2000万円払い、売却時に1900万円手に入ったということになりますから、100万円のマイナス。

「持ち家に住むことができた」という価値はあったものの、金額的には損にも得にもならなかったという感じでしょうか。

 

仮にバブルの頃に売っていたとしたら、大金が手に入ったかもしれません。でもそのお金で、同じく高騰していた別の家を買わなければならなかったでしょうから、同じこと。

高く売れたとしても、意味はなかったと思います。

 

自分が住む家の、資産としての価値。

 

不動産が右肩上がりで値上がりしていた時代に土地を買った、2つの例について考えてみました。

 

最初の試算では、

  • 総額3000万円のマイナス、1年あたり-100万円。
    → 借家の家賃を払ったのと大差なかったかも。

 

2つめの父の例では、

  • ローン返済額と売却額がトントンだった。
    → 相殺されて住居費がゼロになったと考えることが可能(維持費はかかりますが)。

 

どちらにしても、家は資産なのか? 何が資産なのか? 考えさせられます。少なくとも、値段が高いときに売れなければ利益は出ません。自分たちが住んでいる家を、相場をみて機動的に売買することは難しいでしょう。そう考えると、資産としての価値を高めることは難しそうです(タワーマンションの転売を繰り返す「空中族」という方々もいらっしゃるみたいですが)。

 

持ち家か賃貸か。

 

永遠の論争です。

 

  • 「持ち家」に好きなように住むことにどの程度の価値を置くか、
  • 長期のローンに縛られる不自由とリスクをどの程度許容するか、
  • 物件の資産価値がどの程度期待でき維持できるか。

 

不動産価格が右方上がりだと楽観的に考えることができた時代は、もう終わりました。

ですから、これらのことをよけい慎重かつ総合的に考えるしかないのでしょうね。

 

最後はありきたりなまとめで失礼しました。

 

f:id:NShufu:20161122213108j:plain