ときどき思うことがあります。
もうちょっと違うやり方があったかなあ。
あのときもう少し違う風にやっておけばよかったかなあ。
……弱気になった時ですね。
一方で,強気のときもあります。
あのときこうやっていたから今の自分がある。
オレは結構,頑張ってやってきた。
……なんてね。
そんなときいつも思い出すのが,『風の谷のナウシカ』の中のセリフ。
映画版ではなく、マンガの方です。「トルメキア戦役バージョン」と呼ばれているようですね。
超常の力を持つ"皇弟"ミラルパが絶大な権力をもつ影で,雌伏し時が満つるのを待っていた"皇兄"ナムリス。その時が来たとみるや,皇弟を殺して帝国の全権を掌握する,その場面でこんなことを言っています。
(『風の谷のナウシカ 5』宮崎駿、徳間書店より)
俺はリスクをとってきた。
そんな自負の表れでしょう。
リスクを取るか取らないか。
リスク,危険を恐れてなにもしないと,そのこと自体がリスクになります。
選択しないということは,ありえません。
「リスクを取る」か,「リスクを取らないというリスクを取る」かのどちらかです。
結果がどうなるかは,後になってみなければわかりません。
自分の選択を最善のものにするために。
選ぶ前に「どの選択をするのが最善か」に悩むのは仕方ないでしょう。
でも、そのことばかりに気を取られるのではなく,
選んだ後に「この選択が正解だった」と思えるように努力することも大切です。
チェコの小説家ミラン・クンデラは,子どもだろうが老人だろうが,誰にとっても人生は初めて経験することの連続であり,そういう意味で人間の世界は未熟の惑星なのだ,という意味のことを言っています。
そもそも,過去を生きたオッサンの言うことは,現代ではアテになりません。
生存バイアスだってありますしね。
リチャード・バックの『イリュージョン』(以前の「村上龍 訳」版)に出てくる「救世主入門書」には、最後にこう書いてあるそうです。
「このテキストほど無責任な本はない。
この本に書かれてあることを
信じない方がいい。
書かれていることは全て逆の意味かも知れないから。」
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