新年が始まったと思ったら,もう1月も中旬にさしかかっています。
医療費の領収書や薬を買ったときのレシート,皆さんはどうしていますか?
ウチでは1年分,全部保存しています。
もちろん,医療費控除に使える可能性があるからです。
医療費控除とは?
病気やケガの治療にかかった費用が10万円(所得が200万以下の場合は年間所得の5%)を超えるとき,それを超える額が所得控除になる(つまり,所得から差し引くことができる)制度です。
対象になるのは,おおざっぱに言うと「病気やケガの治療にかかった費用」。
病院の医療費,調剤薬局で払った薬代はもちろん,ドラッグストアで買った風邪薬や絆創膏,消毒薬,病院に通うための公共交通機関の交通費などまで含まれます(自家用車は不可)。
大きいのは子どもの歯列矯正費用ですね。これは高額ですから,控除を忘れるともったいない。ただし,大人が美容目的でする歯列矯正費用は対象になりません。
出産に関する費用も高額ですが,健康保険から出産育児一時金など支払われる保険金もあります。医療費総額の計算時に,「差し引かなければならないもの」と「差し引かなくてよいもの」があるので,注意が必要。
何が該当し何が該当しないかは,専門の解説書をみてください。
所得控除って?
所得から差し引く,つまり所得をその分少なくすることができることです。
つまり,税金が安くなる。
医療費の合計がたとえば11万円になったとします。
所得税の税率が10%の場合,10万を超える1万円の10%,つまり1000円,所得税が安くなります。
住民税も,同様に10%(1000円)安くなるので,税金が合計で2000円が安くなる計算。
まあ,その程度なんですけどね……。
医療費,そんなにかからない?
「医療費が10万を超えることなんてないでしょ」
「ウチは子どもの医療費が無料だし」
なんていう風に,自分には関係ないと思っていませんか?
それでも,1年分は保存しておいた方がいいですよ。
それはなぜか?
誰がいつ病気をするか,ケガをするかなんて,わからないからです。
それまで健康だったのに急に病気になって,どーんと医療費がかかってしまうかもしれませんからね。
年が明けてからざっと集計してみて,金額がぜんぜん10万に足りなければ,「去年はみんな健康でよかった,めでたしめでたし」と,処分してしまえば済むことです。
事実,ウチは「去年は10万行かなかっただろうな~」と思って集計してみたところ,11万ぐらいになっちゃいました。
大きかったのは
でした。それなりの年齢なので,持病も増えてきます……。
医療費は世帯単位でまとめることができる。
忘れてはいけないのは,金額を世帯で合算できるということ。
生計を一にしているのなら,下宿している子どもまで含めて合算することができます。
下宿している子どもには,「病院にかかったり薬を買ったときには領収書を保存しておけ,年末帰省時に持ってくること」と,たびたび念を押しています。
今年から「セルフメディケーション税制」も。
所定の薬を年間12000円以上購入したとき,医療費控除と同じように所得控除できるという制度が始まりました。
※ただし,医療費控除とセルフメディケーション税制とどちらかしか選べません。
対象となる薬が細かく決められていますが,ドラッグストアや薬局の店頭に表示されていたりパッケージに表示されたり,レシートに記載されたりするはずです。
また,この制度を利用して申告するには,申告する人が健康維持のために
- 特定健康診査
- 予防接種
- 定期健康診断
- 健康診査
- がん検診
のどれかを受けている必要があります(その「証拠」を添付する必要がある)。
医療費控除もセルフメディケーション税制も,適用を受けるには確定申告(サラリーマンの場合は還付申告)を行う必要があります。
そういった手間がかかる割に,金額的にはあまり得にならない「医療費控除」と「セルフメディケーション税制」。でも,払わなくていい税金は払う必要ありません。
「知らない」のと,「知っているけど(手間に対してメリットが小さいから)あえてやらない」のは違いますから,知識として知っておいてほしいことの1つです。
関連項目:
歯医者で子どもの将来の歯並びがわかった話(それで歯列矯正を始めました)。