今週のEテレ「オイコノミア」、テーマは「音楽の経済学」。ゲストは清水ミチコさん。
音楽にまつわる経済学の小ネタをいろいろ知りました。
Photo by 写真素材 足成
音楽ソフトの販売額は年々減少。
1998年に6075億円だったのが、2015年には3000億を下回る額に。
渋谷のHMVも6年前に閉店したが、去年秋に再オープンしたとか。
リニューアル後は、CDだけでなく本、映像ソフト、雑貨、お酒までを組み合わせて販売。
イタリア料理本+オペラのCD とか、
フランス料理本+フランス映画音楽 などを組み合わせた企画も。
このように、「2つの財を一緒に使うと効用がより高まる財」を補完財と呼ぶ。
パンとジャムなど。
片方の消費量が増えるともう片方の消費量も増えることにつながる。
一方、ライブ売上は大きく伸びている。
2006年の1000億未満から2015年には3186億円に。
そんな中、チケット転売が問題に。
友人同士の融通はともかく、転売目的で行うといくつかの法律・条例に違反することも。
転売は、経済学的には売り手の価格設定が安すぎるから起きる(高い値段を出せる人でも安い値段で買えるから、買えない人が出てくる)。
需要と供給が釣り合わない安い値段でチケットを売るのはなぜか?
- 長期的にファンでいてもらうため。
- ファンの新規開拓ができるため。
ここで突然、ハンバート ハンバートのミニライブが1曲入りました。
曲は、ファンだという又吉さんのリクエストで「ぼくのお日さま」。
全く知らないデュオ、知らない曲でしたが、よかったです。
その後で、「今の1曲にいくら払いますか?」という実験。
- 自分の財布から払う。
- 自分の言い値でよい。
という条件。
→結果はバラバラ(最高額は又吉さんの2万円)。
経済学的に、「消費者は合理的に行動する」のなら、可能な限り安い額を提示するはず。そうならないのはなぜか?
行動経済学の実験。
行動経済学者ウリ・ニーズィーの実験。
ツアーボートの搭乗記念写真1枚15ドルを、
- 15ドルで販売。
- 5ドルで販売。
- 客の言い値で販売
の3通りの売り方をしたらどうなったか。
購入者が最も多かったのは5ドルのときで、言い値の場合はそれをちょっと下回った。
→購入者は、自分で値切るのを嫌ったから。
一方、平均価格が最も高かったのは言い値のとき(6.43ドル)。
→「安すぎる価格を提示するのはフェアじゃない」と感じたから。
→「セルフイメージ仮説」
「自分がフェアな人間であるという自己イメージを守るために利他的な行動をとる」という行動経済学の仮説
人に見られていなくても、セルフイメージ仮説に沿った行動が起きると考えられている。
イギリスのロックグループであるレディオヘッドが2007年にニューアルバムをインターネット販売したとき、言い値で販売して話題になった。言い値のため無料でもダウンロードできたが4割が値段をつけたという。
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こんな内容でした。
興味のある方は、今日(2016年11月24日)深夜の再放送を見てみてください。
いろいろ発見がありますよ。
次回は「結婚の経済学」! これもおもしろそうです。
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