昨日の記事では,学校のキャリア教育について感じたことを書きました。
今日はその続きです。
「仕事」だけでなく,「働き方」について,子どもはどれほどの意識を持っているんだろうか?
昨日2.として書いた項目ですが,いい表現が思いつきません。
例えば例を考えてみると,
- 医師:開業医,勤務医,研究者,……としての働き方の違い
- ソフトウェアエンジニア:SIerでの働き方,その下やずっと下流での働き方,フリーランス,……としての働き方の違い
- 研究者:大学教員,民間企業の研究部門,公的研究機関,あるいは博物館の学芸員,…としての働き方の違い
が,キャリア教育の場ではあまり意識されていないのではないかと思うのです。
大きく分類すると,
- 組織に属するか属さないか。
- 所属する組織が大きいか小さいか。
そんなことによって,「同じ仕事」でも,働き方や長い職業人生の中での変化の仕方に大きな違いがでてくるように思います。
「会社員」の問題。
それともう1つ。
「会社員」になりたいという子どもはいません。
「会社員」という言葉で表されるものは「仕事」だと認識されていないからだと思いますが,でも実際には,かなりの人が学校を卒業すると「会社員」という立場になるわけです(それ以外は,ほとんどが「公務員」かな。自営業,個人事業主は少ないでしょう)。
それほど多くの人が将来なるであろう「会社員」というものを,子ども/学生はどの程度わかっているんだろうか。
大企業なら,「こんな仕事がしたい!」と思って入社しても,実際に入社してどんな仕事をするかはわかりません。配属先次第ですから。しかも,数年単位であちこち異動になり,仕事の内容が変わります。
建築が好きで建設会社に入ったり,鉄道が好きで鉄道会社に入ったとしても,例えば経理や総務に配属されてしまえば,仕事の内容は全然違うものになってしまうはず。
中小企業や零細企業では,その辺の事情もずいぶん違ってくるでしょうが,またそれはそれで別の特徴があるでしょう。
上に書いた「組織に属するなら,それが大きい組織か小さい組織か」の違いです。
会社員の場合「どんな仕事がしたいか」とか「どんな仕事に興味があるか」という切り口は,職業人生のほんの入り口,一つの側面に過ぎないようにも思えます。
自分でも何がいいたいのかよくわかっていませんが,キャリア教育では,わかりやすい「仕事の種類」だけでなく,もっと違う軸,違う切り口でも考えさせた方がいいんじゃないか,なんていうモヤモヤした気持ちを吐き出させていただきました。