今朝の記事を書いていたら,なぜか『ちからたろう』を思い出しました。
誰でもよく知っている昔話です。
何と言っても,田島征三さんのこの絵がいい。迫力があります。
(といっても他のものを知りませんが…)
実物が手元にないので記憶で書きますが,親の立場としても考えさせられることがいろいろ。
そもそも,このおじいさん・おばあさんは,子どもがほしくて,自分たちの垢をこねて子どもを作ったんですよ。それがちからたろうなんです(最初は「こんびたろう」)。
でも垢ですよ,垢。最初は,茶色い人形のようなよくわからない生き物として描かれています。
でもそんな子どもを,おじいさんおばあさんは本当にかわいがり,寝ていて何もできずごはんばかり食べるこんびたろうに,たっぷりごはんを食べさせて面倒をみてやる。
そんな月日が経ったある日,百貫だか二百貫だかのとんでもない金棒がほしいと言い出したこんびたろう。
でもおじいさん・おばあさんはそんな無茶に対しても,かわいい子供のために,なけなしのお金をつぎ込んでとんでもない金棒を作らせる。
大のおとなが7人も8人もで,巨大な金棒をかついでくる様子が描かれています。
「こんびたろう」がその金棒をつかんでぐいっと立ち上がると,それまで汚い人形みたいだった太郎がぐーんと伸びて,見上げるような大男に。
あとはご存じの通り,旅の道中で石こ太郎や御堂太郎を従えて化け物を退治し,娘さんを嫁にするというお話です。
何てことはない話と言ってしまえばそれまでですが,でも,泣けます……。
とにかく子どもがかわいくて,そこに居るだけで嬉しくて,かわいがって面倒を見て。
そうしていたら,突然子どもがものすごく成長して,頼もしく,たくましくなり。
もちろん,立派になって恩返しをしてほしいなんて言いたいわけじゃないですよ。
そのときのおじいさんおばあさん,どれほど嬉しかったかなあと。
ところで,昔話に必ず出てくる白髪のおじいさん・おばあさん,現代なら40~50代ぐらいかもしれないと思ったりします。