上の前歯の裏側に、「何か」が生えてきた。
長男が小学校6年のときの話です。
歯列矯正が順調に進んでいましたが,あるとき,上の前歯(永久歯)の後ろから「何か」が生えてきました。
うわ,別の歯? 永久歯が前後に重なってるのかな? というわけで矯正の先生に相談。
(長女のように,歯並びが悪くて隣の歯が重なって生えてきてしまったのかと,最初は思ったんです)
その正体は。
レントゲンを撮って調べてもらった結果,「過剰歯」でした。
正常な本数である乳歯20本,永久歯32本を超えた「余計な歯」、それが過剰歯です。
そんなものがあるんだ……知らなかった。
しかも,生えてきた1本だけでなく,「さらにもう1本,上あごの骨に埋まっている」(!)とのこと。つまり合計2本です。
10年前のことなのでよく覚えていませんが,埋まっている方の歯は、上あごの中で水平に,しかも「顔の前側から後ろに向かう向きに生えている」、つまり根っこが顔の前,歯の先端が後ろに向いているとのこと。
メチャクチャです。
その横向きの過剰歯が、上あごに埋まったまま成長してくると,伸びた根っこが、前にある本来の前歯の根を押して、前歯に悪影響を及ぼします。なので、そうなる前に抜かなければなりません。
正常な歯に影響を及ぼさないよう、抜歯。
口の中に頭が出てきた、縦向きの方の過剰歯は,普通に抜歯できました。小さくて細い、犬歯のような棒状の歯でした。
でも,横向きのヤツは、上あごの骨に埋まったまま。
……というわけで、総合病院の口腔外科を紹介されました。
それで、上あごの骨に埋まっている歯を一体どうやって抜いたかというと……
前歯の後ろ("口の中の天井")の歯肉をぺらっとめくり(!),上あごの骨を削って,掘り出すように過剰歯を抜いたようです(私は診察室の外で待機)。局所麻酔で、時間も大してかかりませんでした。
抜歯が終わって出てきた息子の口をみると,イーっとしたときに前から見える上の歯と歯の間に,4ヵ所ほど黒い縫合糸が見えました。めくった歯肉を元に戻して,歯の間に糸を通して,歯の後ろと前で縫合したようです……。
たしか抗生物質と痛み止めをもらって帰りましたが,経過は何も問題なく済みました。
やれやれ。
息子はその翌日,小学校卒業前のごちそう給食「卒業バイキング」を,その状態の口で食べることになってしまいました。
それにしても,これだけのことも全く嫌がらず淡々と治療を受けていくウチの子,結構すごいと思います。
過剰歯について調べたことまとめ。
過剰歯について調べたことをまとめておきます。
- 発生率は約3%。結構多いですね。
- 男の方が多い。
- 場所は、上の前歯の間が最も多い。他には、親知らずの後ろなど。
- 普通は1本、まれに2本。
- 乳歯から永久歯への生え替わり時期と過剰歯が見つかる時期の関係はさまざま。「永久歯が生えてこないと思ったら、過剰歯が邪魔をしていた」,「生えた永久歯の位置がちょっと変だと思っていたら、過剰歯が邪魔をしていた」など,いろいろあるらしい。
やはり,幼児期に一度早めに歯科にかかっておくか,あるいは「何か変だぞ?」と思ったら歯科にかかるとか,そういう注意が必要かもしれませんね。