2016年8月16日の記事です。
本当に胸が痛みます。
どもり、吃音(きつおん)は、「ここここここんにちは」というように、同じ音を最初に繰り返してしまうことだと理解している人が多いと思いますが、
- 詳しい原因はわかっておらず、
- はっきりした、誰にでも有効な改善方法はありません。吃音のある人は、それぞれがいろいろな方法を試行錯誤しているようです。
- 100人に1人程度の割合でみられるということです。
吃音には、「ここここここんにちは」というように同じ音を繰り返す「連発」だけでなく、特定の音を最初に発音できず「…!……!……っんにちは」のようになる「難発」、「こーーんにちは」のように最初の音を伸ばす「ひきのばし、伸発」もあります。
これらが、例えば連発から難発へというように、成長や時期にともなって変化することもあります。
また、その時々でひどくなったり軽くなったりすることもあり、心理的ストレスがかかると一時的にひどくなることもあるようです。
成長にともなって、他人に対してどもりが目立たないようにするために、
- 「あのー、あのー、こ、こんにちは」「えっと、えっと、こ、こんにちは」のように、話し始めに別の言葉を付け加える
- 発音できない言葉を、別の言葉で言い換える
といった回避策を身につけることもあります。
↓吃音のつらさがよく描かれているマンガです。本当にたくさんの人に読んでほしい。
(2018.8追記)
映画化されました!順次全国公開予定。
ウチの3人の子どもには、どの子にも何かしら、言葉の問題があります(ありました)。
長男には、大学生になった現在も吃音があります。もともと言葉が出るのが遅く、2歳児検診のときにも二語文を話していなかったので、保健師さんの訪問を受けました。3~4歳ごろだったか、目をぱちぱちするチックの症状が出た時期もあります。吃音にはっきり気付いたのはいつだったか憶えていませんが、それほどひどくなかったこともあり、困難をかかえている様子もあまりみられなかったため、自治体の相談機関に1回行っただけで対策をすることもほとんどなく現在に至っています(相談先、ないんですよね……)。
長女は逆に言葉が出るのが早かったんですが、最初は言葉の最初をひきのばすことが目立ちました。その後すぐになくなったのですが、サ行やカ行の発音がタ行になってしまう問題が年長の頃まで残っており、「ことばの教室」に相談に行ったこともありました。
次男は、小さい頃から外では恥ずかしがりだったものの、家では明るい無邪気な子でしたが、小学校高学年ごろから急に家でもほとんどしゃべらなくなってしまい、心配しました。反抗的な様子は全くなく、思春期特有の無愛想さとは違う様子なので、場面緘黙ではないかと思ったこともあります。そんな様子が高校生になった今も続いていますが、最低限必要なことは家でも学校でも自分から話してくれ、日常生活・学校生活(運動部の部活動を含む)には大きな問題がないと思われるため、「本人の心の成長を信じて」、特になにもしていません。
私自身も小さい頃に吃音があったようですが、私の記憶にはありません。子どもがみんな、そんな私の神経質な性質を受け継いでしまったのかもしれません。
吃音のある長男は、いじられキャラではあるものの、優しい性格で友達に恵まれ、盛り立ててもらってきました。他の人にない得意分野もあり、今は1人暮らしをして大学に通っています。
恥ずかしがり屋の次男も、小学校・中学校・高校とやはり得意分野で周囲から一目置かれ、まじめで几帳面なこともあって周囲から信頼されています。
吃音のある全ての人が、理解ある人たちの中で安心して過ごせるようにと願わずにいられません。
吃音のある長男に読むように言った、島地勝彦さんのコラムを挙げておきます。