こんな記事が。
申し訳ありませんがちょっと誤解があるようですし,感じたところもありましたのでちょっと感想を。
上記の記事に,
"大きくわけて4つのタイプがある"
として,
常時雇用ベースながら副業でフリーランスの仕事をこなすワーカー
②副業系パラレルワーカー
雇用形態に関係なく複数の企業の仕事をこなすワーカー
③自由業系フリーワーカー
特定の勤務先は持たないが、独立したプロフェッショナル
④自営業系オーナー
個人事業主、または法人営業で経営しているオーナー"
の4種類が挙げられています。
でもこれでは分類になっていません。複数が同時に成り立ってしまいます。
会社員が,
- 会社が休みの日や終業後に副業として,
- フリーランスの仕事を,
- 複数の相手から受注して行っている
のであれば,「副業系すきまワーカー」でしょうし「副業系パラレルワーカー」ということになってしまいます。
また,フリーで(=会社に雇われずに)仕事をしている人は誰でも,その面,その立場については「自営業者」であり,「個人事業主」です。個人事業主というのは,どちらかというと税金面から見た呼び名かもしれませんね。
会社員のかたわら副業としてやっている場合は,会社員でかつ個人事業主ということになるのだと思います。
「(3)特定の勤務先を持たない独立したプロフェッショナル」という分類には,専業で事業を行っている全ての分野の自営業者/個人事業主/フリーランスがあてはまります。
それと。
"フリーランスになれば出来高制の場合がほとんど。働けば働いただけ稼げます。"
という記述がありました。
フリーランスの場合,「仕事1件でいくら」という形の売上になる場合が多いのは確かです(それ以外にも,例えば月ぎめのコンサルティング・委託・管理の契約のような業態もあるとは思いますが)。
しかし,「出来高制」という言葉からは,たとえば「封筒を1枚貼ったらいくら」(たとえが古すぎ……。大昔はそういう内職があったんですよ)というような単純な請負作業,あるいは「保険の契約を1件取ったらいくら」というような営業ノルマのような状況を想像してしまいます。
たとえば「ハンドメイド品を自分で作ってサイトで売る」というような副業には,「出来高制」という言葉はなじまないですよね。
上手く言葉にできませんが,フリーランスに対して出来高制という言葉を単純に使うことには,ちょっとひっかかりを感じます。
それに,出来高制という言葉がうまくあてはまりそうな,「相手から支給された仕事をどれだけやったかに対して報酬がもらえる」タイプの仕事からは,できれば早めに卒業した方がいいのではないかと思います。
仕事が十分にあるのなら,働けば働いただけ稼げるのは確かですし,どんどん稼げるのは魅力的でもあります。でも,それには落とし穴も。ちょうどそんな記事を書いたところです。
私自身も「単価が○○円の仕事をどれだけやっていくら」という類の仕事をしていますが,多くの場合,そういった仕事は作業単価が安いです。
付加価値が低い仕事を続けているだけでは,代替可能な低い立場のまま使い倒され,疲弊していくだけになる可能性があります(コモディティ化,個人請負の問題)。
ですから,自分の付加価値をいろいろな面で上げる努力が必要ですし,さらには「働いただけ稼げる」仕事,自分の作業時間に収入が比例する仕事(=逆に言えば「自分が実際に時間をかけなければ収入が増えない仕事」=「収入に上限がある仕事」)から,「働かなくても稼げる仕事」へと移行することを目指すべきです。