フリーランス兼業主夫日記

フリーランス、なりゆきで兼業主夫的な生活になってから25年超え。生活や子育ての中でブログネタを探しています。

里帰り出産にはリスクがある。新米お父さんにとってもお母さんにとっても。

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上記の記事の冒頭にある言葉,

 

父親が父性に目覚めるためには、子どもと一緒に過ごす時間がある程度必要だ

――母性がそうであるのと同じように。

 

これが全てを言い表しています。

 

里帰り出産について私が危惧していることを書いてみます。

 

里帰り出産を選ぶご夫婦はきっと結構いらっしゃるのでしょう。

ご主人が仕事で忙しければ,もちろん夫婦どちらの側にも,それを問題だと思う理由は出てきそうにありません。

 

奥さんとしては,実家の安心できる環境,実のお母さんの万全のサポートのもとで産前・産後を過ごしたいと考える気持ちは,自然なものだと思います。

そして男にとっては,もちろん仕事が忙しくて奥さん・赤ちゃんの世話ができないということもあるでしょう。

でも正直な気持ちは,結婚して久しぶりの「完全に自由な時間」!じゃないでしょうか? 「ラッキー,子どもが生まれて忙しくなる前に,久しぶりにのんびり自由に,好きなように遊ぼう!」と思うに違いありません。私だって,その立場ならきっとそう思います笑。

 

かくして,夫婦どちらにとってもメリットがあると思える里帰り出産。

 

でも実際にそれをやってみるとどういうことになるでしょうか?

 

新米お母さん側としては,もちろんそれまでにお腹の中で赤ちゃんがどんどん大きくなり,お母さんになる心の準備が十分過ぎるほど出来ています

ところが,新米お父さんには,赤ちゃんが登場するということが,本当のところは全く実感できていないはずです。それなのに,奥さんが里帰りしてしまうと,さらに悪いことに独身気分にまで戻ってしまう。

 

赤ちゃんが生まれたら,新米お父さんもきっと数日以内には赤ちゃんの顔を見にいくことでしょう。ところがそのとき,奥さんの実家はどうなっているか。

 

完全にお母さんの顔になった奥さんと,そして急に降ってわいたような赤ちゃんがそこにいるわけです。

向こうのご両親を含め,みんなで赤ちゃんの世話をしている現場に,1人だけ遅刻してきたようなバツの悪さで混ぜてもらうことになりはしないでしょうか。そんな気持ちが育児の出発点になってしまうと,あとあと尾を引くんです。

 

「あ,なんかうまくやってるみたいだね。もしかしてオレいなくても大丈夫? じゃあそっちでうまくやっておいてね~」といった気持ちになってしまい,子育てという「面倒そうなこと」に自分事として加わる機会をなくしてしまう可能性があるんです。

 

そして,新米お母さんは,実家の手厚いサポートの居心地のよさに,産後2ヵ月,3ヵ月と滞在期間を延ばしてしまわないでしょうか。その間,新米お父さんは,子どもの顔をそうそう頻繁に見に行くことはできないでしょう。

 

問題が一気に表面化して噴出するのは,そんな新米お母さんと赤ちゃんが帰ってきたとき。

まず,長期間不在にしていた家は,奥さんがいたときのように綺麗になっているでしょうか?そして赤ちゃんを迎える準備ができているでしょうか?

最悪,そこで新米お母さんがキレます。

 

まあ,そこがうまくクリアできたとしましょう。

でも産後そんなに期間が経っていると,お母さんと赤ちゃんの関係はもうしっかり出来上がっています。赤ちゃんの世話のやり方も出来上がっているし,お母さんはもう十分慣れています。

 

そこに新米お父さんが,ほとんどゼロから加わるわけです。お父さんの側によっぽど意欲がないと,そして奥さんの側に「ダンナに赤ちゃんの世話に慣れてもらおう」という忍耐力がよっぽどないと,新米お父さんが赤ちゃんの世話に加わるのは難しい。

 

新米お母さんが作り上げたやり方に照らして「そんなんじゃダメ,やり方が違う」と言い出してしまうと,もう新米お父さんの出る幕はありません。新米お父さんに対して,子どもの世話から逃げるいい口実を与えてしまうことになってしまいます。

 

新米お母さんにとっては,居心地のよかった実家とは雲泥の差の,自宅での生活。

新米お父さんにとっては,居心地のよかった「仮の独身時代」とは雲泥の差の,赤ん坊のいる生活。

里帰り出産で後回しにしてきたツケが一気に回ってきます。

 

かくしてお父さんは育児にかかわらなくなり,お母さんが子育てを全部担わざるを得なくなってしまう。はじめての育児の修羅場で,夫婦の間にもミゾができてしまう。子どもとお父さんの間に距離が出来てしまえば,それが時限爆弾のように,思春期に大きな問題になって表面化する可能性さえあります。

全ては,里帰り出産がもたらす「育児のスタートラインの違い」が原因です。

 

……あくまで最悪の場合について書いてみました。里帰り出産が必要な場合ももちろん多いでしょうが,一方でそんな可能性もあるということを,どうか心の隅っこに置いておいてください。

 

そして,新米お父さんを子育てに関わらせるにはこうすればいいんじゃないかという,私が考える秘策があるんですが,それはまたの機会に。