フリーランス兼業主夫日記

フリーランス、プラスなりゆきで兼業主夫的生活になって25年超え。生活や子育ての中でブログネタを探しています。記事の内容はその時点の思いつき。現在は考え方が違っているかもしれません。

「個人事業」と「個人請負」。

www.nhk.or.jp

こんな番組を見ました。(追記:上記サイトで番組内容がテキストで読めます)

追記:更新されたのかな?こちらにも。

“消費される”若者たち ~格差社会の新たな現実~ - NHK クローズアップ現代+

 

個人請負」という言葉,あまり聞いたことがありませんでしたが,番組冒頭のざっくりした説明によれば,

 

個人事業主」…伝統的自営業・職人のほか,IT分野やコンサルタントなどの専門家のイメージ

個人請負」…それがサービス業まで拡大したもの(ホスト,バイク便ライダー,リラクゼーション関係,調理補助,講師,エステティシャンなど)

 

ということらしいです。

 

個人請負の例として,

  • 学費を稼ぐためホストとして働き,店が提供する住居に住んでいる大学生。
  • マッサージ店開業を目指して勉強と経験を積むため3店を掛け持ちしている男性。

が挙げられていました(他に,女性に対して性的サービスを行う店に登録している男性なども)。

ただ,この2人は,同じような「完全歩合制」とは言ってもかなり違うと思います。前者の例は,店が生活をサポートするセーフティネットになっているという点で,女性の風俗と似ているかもしれません。

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とにかくまず認識しなければならないのは,

個人事業主は労働者(被雇用者)ではない

ということです。

なので,番組にも出てきたように,労働者の雇用や労働に関する規制・保護(賃金,労働時間,残業,休暇などの規制・保護)の対象にはなりません。保険や年金も自分で加入している分だけであり(被雇用者なら会社が半分負担してくれる),雇用保険労災保険はありません。自分の身は自分で守らなければなりません。

 

ですから,

雇用されて給料をもらう」か,

仕事を受注して報酬をもらう」かの違いは,とても重要なんです。

 

もし,仕事に対してもらうお金が全て給料だと思っている人がいたら,それは大変な間違いです(そんな人はいないでしょうけど)。

 

本来なら従業員として雇用し給料を払うべきところを,社員をかかえて固定の人件費を負担したくないために,個人請負という会社側が好きなようにしやすい形で人を使い,完全歩合制・出来高制とすることで,人件費の総額を抑えようと考える会社があるのでしょう。「出来高制だからやれば稼げる」と煽って,「やりがいの搾取」をするわけですね。

 

でも,働く側としては,その「出来高制」「やれば稼げる」の仕組みそのものを疑わなければなりません。

番組では,キーワードとして「やりがいの搾取」と「起業家精神」が挙げられていましたが,ホンモノの「起業家精神」があるのであれば,そういった「出来合いの仕組みに乗っかって給料のように報酬をもらう」システムからは抜け出さなければいけないでしょう。私も自分のことは棚に上げて言いますが。

 

ただ,ホストとして働く学生の例のように,貧困がからむと解決は難しそうです。